街づくりや学び、人材育成へ広がる塗料の役割|日本ペイントベトナム

ベトナムでは、都市の発展や生活環境の変化にともない、街の景観や教育環境に対する意識も変わりつつあります。建物の機能だけでなく、周囲との調和や過ごしやすさ、空間の印象にも目が向けられるようになりました。

塗料は、建物の表面を仕上げるためだけのものではありません。街の景観づくりや学校の環境整備、建築やデザインを担う人材の育成など、塗料が使われる場面は広がっています。

本記事では、日本ペイントベトナムが塗料や色彩を通じて地域や人とどのように関わっているのかを、3つの事例から紹介します。

目次
  1. 塗料を起点に広がる地域や人との関わり
    1. 都市景観の刷新
    2. 人材育成
    3. 学校支援
  2. 基本情報・参考資料
  3. まとめ

塗料を起点に広がる地域や人との関わり

日本ペイントベトナムの活動は、街づくりや人材育成、学校支援など幅広い分野に及びます。同じ塗料でも、使われる場所や目的によって、その役割は異なります。都市景観の刷新、人材育成、学校支援という3つの事例には、それぞれ異なる活かし方が表れています。

都市景観の刷新

日本ペイントベトナムは、2019年から地域プロジェクト「Viet Nam Tuoi Dep(美しいベトナム)」を展開しています。壁画制作や塗装を通じて街の景観を整え、地域に新たな彩りをもたらすプロジェクトです。行政や関係機関との連携のもと、各地で壁画制作を続けてきました。

2024年には、ホーチミン市1区で10回目となる壁画プロジェクトが行われました。作品が描かれたのは、カウオンラン地区とファムグーラオ地区です。壁画は全長192m、面積約600㎡に及び、ベトナムを衛星から捉えたような構図に、白いハトなどのモチーフが取り入れられています。

制作には、ホーチミン市公安局や区の行政機関も加わりました。完成した壁画は、地域の特色を伝えるとともに、通りの印象を変える新たな景観の一部となっています。

人材育成

日本ペイントベトナムが属する日本ペイントグループは、建築やインテリアデザインを学ぶ学生を対象に、国際デザインコンペティション「AYDA Awards(アイダアワード)」を開催しています。色彩や素材を取り入れながら、社会や環境の課題に向き合う設計案を競う場です。

2025年6月、東京で国際最終審査と授賞式が行われました。ベトナム代表として参加したのは、ホーチミン市建築大学の学生2人です。インテリアデザイン部門では、地域の文化や自然を空間に取り入れた作品が、色彩表現が評価され、関連部門の賞を受賞しました。

評価されるのは、見た目の新しさだけではありません。人が過ごす空間をどう設計し、地域の特徴をどのように反映するかも問われます。学生にとっては、実際の暮らしや地域を見据えながら、自らの設計を形にする機会にもなっています。

学校支援

2025年10月末、フエを襲った豪雨により、複数の学校が浸水し、施設にも大きな被害が及びました。被災した学校の環境を整えるため、Quy Hy Vong (ヒーヴォン基金)FPTグループや関係団体と連携し、学校修繕支援プロジェクト「Truong em thay ao moi(チュオンエムタイアオモイ)」を進めています。日本ペイントベトナムも協力企業として参加し、市内7カ所の学校に修繕用の塗料を提供しました。

支援先の一つが、フエ市フーホー地区にあるフールオン幼稚園です。洪水時の浸水は1mを超え、教室やトイレなどの設備にも深刻な被害が出ました。プロジェクトを通じて建物の修繕と校舎の塗り替えが進み、現在は子どもたちが日々を過ごせる環境が整っています。

校舎に使われたのは、環境や健康面に配慮した認証「Green Label(グリーンラベル)」を取得した塗料です。塗り替え後の校内は明るい印象へと変わり、学びの場としての環境も改善されました。

基本情報・参考資料

まとめ

日本ペイントベトナムの活動に共通する起点は、塗料や色彩です。対象や方法は異なっても、本業を社会の中で活かすという姿勢は変わりません。

塗料は、建物の仕上げに使われるだけの製品ではなく、街や学びの場に新しい価値を加える素材でもあります。地域の環境を整え、学びや新しい発想を支えること。それが、同社の事例に共通する役割です。