ベトナムでは、経済成長に伴い物流の需要が拡大し、都市部から地方まで輸送の役割が一段と大きくなっています。日常生活や産業を支える基盤として、社会の中で重要な役割を担っています。
日野モーターベトナムは、トラックやバスといった商用車を提供するメーカーとして、ベトナムの物流を支えてきました。社会を支える存在である一方で、交通事故のリスクや環境負荷といった課題にも向き合う必要があります。
同社は、交通安全や人材育成、環境への取り組みを進めるとともに、事業と結びついた形で社会との関係を築いてきました。本記事では、これらの活動を軸に、輸送の先にある社会との関係を整理します。
輸送がつなぐ社会との関係
日野モーターベトナムの活動は、特定の分野にとどまるものではなく、輸送を起点に、安全、環境、人材、地域といった複数の領域に広がっています。
物を運ぶという役割は、それだけで完結するものではなく、現場で働く人や通行する地域、周囲の環境にも影響を及ぼします。ここから、日野モーターベトナムの具体的な活動を見ていきます。
社会活動への支援

地域社会において、日野モーターベトナムは生活や教育の基盤に関わる支援を続けてきました。困難な状況にある人々への支援として「テトニャンアイ2024(Tet Nhan Ai 2024)」に参加し、地域住民への物資提供や生活支援を行いました。さらに、学習環境の整備を目的とした「グリーンな学習環境づくり(Vi Moi Truong Hoc Tap Xanh)」など、地域の課題に応じた活動も展開しています。
ラオカイ省サパの学校で実施された学習環境整備は、その具体例の一つです。2023年10月、社員が現地で植栽や設備の設置に携わり、校内環境の改善が進みました。あわせて、授業で使用するテレビ5台を提供し、教育現場に必要な設備の充実にもつながりました。
2024年に発生した台風第3号(ヤギ)による被害を受け、ベトナム北部の山岳地域6省に向けて、1億VND(約61万円)を寄付しました。支援金はハノイ市祖国戦線委員会を通じ、救援や復旧活動に活用されました。
交通安全と環境保全

輸送は、日々の運行の中で安全性や環境への影響と密接に関わっています。運転の仕方や車両の扱い方ひとつで、その影響は大きく変わります。
日野グループでは、毎年6月の環境月間にあわせてメッセージを発信しています。2024年は「いま私たちにできることを、未来のために」というテーマが掲げられ、日々の業務の中で何を積み重ねていくのかが改めて意識されました。
運転や整備といった現場でも、その一つひとつの判断が安全性や環境負荷に関わります。特別な取り組みだけでなく、日常の中での選択も重要になります。その積み重ねが、現場のあり方を変えています。
教育と人材育成

人材育成の分野でも、日野モーターベトナムは実務に近い形での育成を続けてきました。教育機関への車両提供や、学生を受け入れて見学や研修の機会を設けるなど、実際の業務に触れる機会を広げています。
2025年には、カントー大学工学部に小型トラックXZU730を提供したほか、ハノイにある工業系短期大学(CTECH)に中型トラックFMを提供しました。実際の車両を用いた実習により、教室での学びだけでは得にくい感覚を、実務に近い形で体験できる環境が整えられています。
また、ハノイ工科大学の学生を対象とした工場見学の受け入れも行いました。製造現場を直接見ることで、工程や技術への理解が深まり、学びと仕事との距離を実感できる機会となっています。見学や実習の機会は、将来その仕事に携わる人材を考えるうえでも重要な意味を持ちます。
基本情報

まとめ
輸送は、日常の中で当たり前に機能している一方で、社会のさまざまな場面と関わっています。物を運ぶという役割の裏側には、安全や環境、人材といった要素が重なっています。
日野モーターベトナムは、輸送を担う企業として、これらの課題に現場の中で向き合ってきました。地域での支援や人材育成、安全や環境への配慮は、それぞれが切り離されたものではなく、日々の事業の中で積み重ねられてきたものです。
一つひとつの取り組みは目立つものではありませんが、日々の積み重ねが社会を支えています。輸送の現場に目を向けることで、企業がどのように社会と関わっているのかが、より具体的に見えてきます。