ベトナムの野生動物を守る「WildAct」|活動内容と参加・支援方法まとめ

ベトナムには多様な野生動物が生息する一方、密猟や違法取引、生息地の減少などが、野生動物と生態系に深刻な影響を及ぼしています。保護区内に仕掛けられた罠や、野鳥の捕獲に使われる網は、狙われた動物以外の生き物にも被害を及ぼすおそれがあります。

こうした課題に対し、科学的な調査と地域住民の参画を組み合わせながら保全活動を進めているのが、ベトナムの非営利団体「WildAct(ワイルドアクト)」です。WildActは、野生動物や生息地の保護に加え、地域住民や少数民族の参画、女性の人材育成、次世代への環境教育などにも取り組んでいます。

本記事では、WildActの主な活動内容や参加・支援方法、これまでの実績について紹介します。

画像引用元:「WildAct」公式サイト

目次
  1. WildActとは?
  2. WildActの取り組み紹介
    1. 1.科学的根拠に基づく野生動物保全
    2. 2.地域住民・少数民族と進める森林保護
    3. 3.保全分野における女性の活躍支援
    4. 4.環境教育と保全人材の育成
  3. WildActへの参加・支援方法
    1. 活動への参加・協力
    2. 寄付による支援
  4. WildActの実績と信頼性
  5. 基本情報・問い合わせ
  6. まとめ

WildActとは?

WildActは、ベトナムの野生動物と生態系の保全に取り組む非営利団体です。2015年に設立され、「We Act for Wildlife(ウィー・アクト・フォー・ワイルドライフ、野生動物のために行動するの意)」を掲げながら、科学的な調査と地域社会の協力を重視した活動を展開しています。単に野生動物を保護するのではなく、自然の近くで暮らす人々が保全活動の担い手となり、継続的に自然環境を守れる体制づくりを目指しています。

創設者は、生物多様性管理の博士号を持つ保全活動家のTrang Nguyen(チャン・グエン)氏です。WildActでは、密猟や違法な野生動物取引への対策、生息状況の調査、地域住民の人材育成、教育活動などを組み合わせ、野生動物と人が共存できる環境づくりを進めています。

WildActの取り組み紹介

1.科学的根拠に基づく野生動物保全

画像引用元:「WildAct」公式サイト

WildActは、科学的な調査や現地で収集したデータをもとに、野生動物の保全活動を進めています。生息状況や密猟、違法取引の実態を把握し、その結果を森林パトロールや罠の撤去、保護施策の改善に反映しています。

調査データだけでなく、自然環境の近くで暮らす人々が持つ知識や、地域の文化的背景も活動に取り入れています。ニンビン省では、地域住民と連携し、渡り鳥の保護に向けた啓発活動を進めています。

2.地域住民・少数民族と進める森林保護

画像引用元:「WildAct」公式サイト

野生動物の生息地を長期的に守るには、森林周辺で暮らす人々の協力が欠かせません。WildActは、地域住民や少数民族を外部から支援される対象として捉えるのではなく、自然環境を守る重要な担い手として位置付けています。

チューヤンシン(Chu Yang Sin)国立公園では、森林の状況をよく知る地域住民や、かつて狩猟を生活手段としていたモン族の人々も保全活動に参加しています。森林パトロールやわなの撤去に携わる役割を設け、地域住民が継続して森林保護を担える仕組みをつくっています。

3.保全分野における女性の活躍支援

画像引用元:「WildAct」公式サイト

WildActは、野生動物保全に携わる女性の育成や、働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。保全分野では、女性が専門的な研修や意思決定の機会を得にくい場合があるほか、差別やハラスメント、安全面の問題に直面するケースもあります。

こうした課題を踏まえ、WildActは、若手の女性保全活動家や地域の女性を対象に、保全活動やプロジェクト運営に必要な研修を行っています。渡り鳥の保全活動では、地域の女性連合に所属する職員を育成し、啓発活動や保全プロジェクトを主導できる体制を整えました。こうした研修を通じて、女性が現場の実務だけでなく、企画や意思決定にも参加できる機会を広げています。

4.環境教育と保全人材の育成

画像引用元:「WildAct」公式サイト

WildActは、子どもや学生、教員、若手の保全関係者を対象に、セミナーやワークショップ、野外学習を実施しています。生物多様性や野生動物保全を学ぶだけでなく、現地の課題を自分たちで考える内容も取り入れています。

学校や大学とは、講演会、フィールドプログラム、学生による募金活動などを共同で企画しています。将来、調査や保全活動に携わる人材を育てることも、WildActの活動の一つです。

WildActへの参加・支援方法

活動への参加・協力

WildActでは、野生動物保全に関心のある個人や学校、大学、企業、メディアが、それぞれの立場に応じた形で活動に参加できます。主な協力方法には、募金・啓発活動の企画、教育プログラムの実施、共同プロジェクト、情報発信などがあります。

  • 個人として参加:募金活動や啓発キャンペーン、野生動物保全に関する企画を通じて活動を支援できます。スタッフの募集が行われている場合は、WildActの一員として活動に携わることも可能です。
  • 学校・大学として参加:講演会やセミナー、野外学習、学生による募金活動などをWildActと共同で企画できます。内容や予算、実施時期に応じたプログラムについて、問い合わせフォームから相談できます。
  • 企業・メディアとして協力:企業は、環境教育や森林保護、地域支援などのプロジェクトに参加できます。メディアは、取材や記事・映像の制作、情報発信を通じて、野生動物保全への理解を広げることができます。

👉 各活動への参加・協力方法の詳細

寄付による支援

WildActは、1回または継続的な寄付を受け付けています。寄付金は、森林パトロールやわなの撤去、違法な野生動物取引への対策、地域住民への支援、環境教育などに活用されます。

寄付額に応じて、レインコートやバッグ、ノート、野生動物を題材としたグッズを選べる支援方法もあります。金額や対象となる品目が変わる場合があるため、手続きの前に最新情報を確認してください。

👉 寄付方法の詳細

WildActの実績と信頼性

WildActの公式サイトによると、これまでに罠の撤去を通じて、3,365個体の野生動物を守ったと報告しています。違法な活動に使われていたキャンプ165カ所を撤去したほか、野鳥の捕獲に使われる網も6,160m取り除いています。地域と連携した活動では、4,000人以上の住民が渡り鳥の保護に関する誓約に署名し、啓発イベントには学生や教員7,000人以上が参加しました。

また、活動や調査に関する報告書などを公開しています。実績に加え、調査結果や保全手法を外部から確認できる点は、団体の活動を評価するうえで重要な情報です。

参考元:
・「WildAct」公式サイト:Reports
・「WildAct」公式サイト:Our Work

基本情報・問い合わせ

画像引用元:「WildAct」公式サイト

まとめ

WildActは、科学的な調査をもとに、森林パトロール、密猟対策、環境教育、人材育成を進めるベトナムの非営利団体です。地域住民や少数民族、女性、若い世代を保全活動の担い手として位置付け、地域社会とともに野生動物の生息環境を守っています。

個人は寄付や募金活動、企業や教育機関は共同プロジェクトなどを通じて参加できます。支援を検討する際は、公式サイトで最新の活動内容、募集情報、寄付方法をご確認ください。