現代においても、戦争や貧困の影響によって苦しんでいる子どもたちは、世界各地に存在しています。なかでも、ベトナム戦争や内戦の爪痕が深く残るベトナム、ラオス、カンボジアのインドシナ地域では、枯葉剤の被害や地雷の危険、教育の欠如といった問題が今なお続いています。こうした地域で、子どもたちの命と未来を守るために活動しているのが、日本のNPO法人「インドシナの平和と子供を守る会」です。
本記事では、同会の理念、活動内容、支援の方法、そして果たしている社会的役割について紹介します。

画像引用元: 「インドシナの平和と子供を守る会」公式サイト
目次
インドシナの平和と子供を守る会とは?
インドシナの平和と子供を守る会(以下、SIPC)は、2022年に設立された日本の認定NPO法人です。法人設立の目的は、インドシナ半島の子どもたちや貧困層、障害者、戦争被害者に対する教育・福祉支援を行い、その生活向上と地域社会の平和構築に寄与することです。また、日本とインドシナ諸国の相互理解と文化交流の促進も目指しています。
SIPCの取り組み紹介

画像引用元: 「インドシナの平和と子供を守る会」公式サイト
1.教育支援活動
SIPCでは、農村部における学校建設、図書の寄贈、教員宿舎の整備など、教育環境の整備に取り組んでいます。教育を通じて負の連鎖を断ち切り、子どもたちが自立した未来を切り拓けるようにするという理念が、活動の根幹を成しています。
2.福祉支援・生活支援
ベトナムでは、戦争による影響で今も多くの人々が枯葉剤による障害に苦しんでいます。SIPCは、ホーチミン市にあるツーズー(Tu Du)病院と、その病院内に設置された、枯葉剤の影響を受けた子どもたちや障がいのある子どもたちが共同生活を送る施設・平和村と連携し、医療・生活支援や職業訓練の機会提供など、包括的な支援活動を行っています。これらの支援は単なる援助にとどまらず、障害を持つ人々の尊厳を守り、彼らが社会の一員として自立できるよう支えるものです。
3.オンライン/講演・啓発活動
SIPCでは、オンラインを活用した平和学習や講演活動、被支援者による製品の販売など、日本国内での啓発活動にも力を入れています。こうした活動を通じて、日本社会における国際理解を促進し、遠くの苦しみを自分ごととして捉える視点を育んでいます。
また、ラオスにあるナムアン(Namuang)村の教育支援プロジェクトや、枯葉剤被害者によるオリジナルポーチ制作・販売など、オンラインを活用した支援プロジェクトも展開しています。これらは単なる資金調達にとどまらず、被支援者の作業・創作活動を通じて、自立支援や文化・技術の継承にもつながっています。
4.文化・伝統の継承と雇用支援
ベトナムの伝統衣装であるアオザイ(Ao Dai)文化をテーマにした取り組みも行っています。アオザイのデザインを施したクッションカバーやポーチといった雑貨の制作・販売、アオザイ工房での雇用維持、アオザイ博物館の支援などを通じて、伝統文化の継承と地域の経済支援を図っています。
SIPCへの参加・支援方法

画像引用元: 「インドシナの平和と子供を守る会」公式サイト
寄付での支援
最も直接的な支援方法が、寄付です。教育支援、生活支援、施設整備などに必要な資金を提供することで、現地での活動をサポートできます。寄付の際には、特定のプロジェクトに使ってほしいという指定も可能です。
また、教科書・文房具・図書・衣料品・学習用具など、教育環境や生活支援に役立つ物品の提供も歓迎されています。
ボランティア参加
- 国内での広報活動、イベント運営、翻訳、SNS発信などのサポート
- 学校建設や図書館運営などを支援する、現地渡航を伴うボランティア(要相談)
- 教材翻訳や映像編集、リサーチなどのオンラインボランティア
- SIPCの活動を学校やSNSなどで紹介し、支援者を広げる活動
- 募金活動やチャリティ物販イベントへの参加・運営支援
物販・フェアトレード・チャリティ商品の購入
被支援者が手作りしたポーチや雑貨などを購入することで、その収益が現地の方々に還元されます。これにより、文化の継承や社会参加の機会創出にもつながっています。
会員・支援者登録
定期的に支援を行う会員や定期寄付者として登録することで、継続的に活動を支えることができます。ニュースレターを通じた活動報告の受信や、イベントへの参加を通じて、支援の輪を広げていきます。
SIPCの実績と信頼性
SIPCは、ベトナムを含むインドシナ地域において、教育支援や枯葉剤被害者支援を中心とした活動を長年にわたり展開し、地域社会から高い信頼を得ています。
現地では、学校建設、教科書・学用品の支給、水道設備の導入などにより、子どもたちの学びの環境を大きく改善しています。加えて、ベトナム戦争の影響で今も苦しんでいる枯葉剤被害者への医療・生活・職業訓練支援も行い、数多くの被害者とその家族の生活再建を支えています。
こうした活動は、現地で信頼されている協力者や、日本で集めた支援物資や募金をベトナム現地に届ける活動等を行うNPO法人「美しい世界のため」の代表として活躍しているグエン・ドク(Nguyen Duc)氏などとのネットワークを基盤に、現地のニーズに即した柔軟かつ継続的な形で行われています。さらに、国内外の寄付者やボランティアと連携して、講演会やチャリティ販売、オンライン交流会などの啓発活動も積極的に実施しています。
子どもたちの生きる権利を守るという理念のもと、現地社会との深いつながりと、支援者との強固な信頼関係を築きながら、活動を広げ続けています。
基本情報・問い合わせ

- 公式サイト:https://www.nposipc.com
まとめ|未来をつなぐ支援の輪
私たちは、ニュースで戦争や貧困の現状に触れても、どこか遠い世界の話として捉えてしまいがちです。しかし、インドシナの子どもたちのように、平和や教育を求めている人々が現実に存在し、そこに手を差し伸べている団体があることを知ることで、世界とのつながりは確かに近づきます。
SIPCの活動は、単なる支援や寄付の呼びかけではなく、命の尊厳を守ることや文化を未来へつなぐことといった、人として大切な価値観を問い直すきっかけにもなります。自分にできることは小さくても、その行動が誰かの明日を変えるかもしれません。