ダイキンベトナムの地域との関わり|空調分野の知見を生かした取り組み

経済成長や都市化に伴い、住宅やオフィス、商業施設などで空調設備の利用が広がっています。快適な室内環境を支える一方、エネルギー消費や冷媒の管理、設備を扱う技術人材の確保も、空調分野に関わる課題です。

ダイキンベトナムは、ダイキン工業のベトナム法人として空調機器の販売やサービスを手がけています。事業活動と並行して、人材育成や環境負荷の低減、感染症や自然災害の発生時における地域支援にも取り組んできました。

本記事では、同社がこれまでに行ってきた活動について、主な事例を紹介します。

目次
  1. ダイキンベトナムの主な活動
    1. 空調関連分野を支える人材育成
    2. 感染症や自然災害への支援
    3. 空調分野における環境負荷の低減
  2. 基本情報・参考資料
  3. まとめ

ダイキンベトナムの主な活動

大学や行政機関との連携、自社の技術やサービスを生かした支援など、活動の進め方は一様ではありません。以下では、その内容を分野ごとに整理します。

空調関連分野を支える人材育成

ダイキンベトナムは、空調や冷凍、建築設備を学ぶ学生への支援を続けてきました。2015年にホーチミン市工業大学やホーチミン市技術師範大学などで実施された「Daikin Scholarship(ダイキンスカラーシップ)」は、成績優秀者や経済的な支援を必要とする学生を対象とした奨学金プログラムです。ホーチミン市技術師範大学では、学生10人に総額5,000万VND(約27万円)が贈られたほか、同社の技術者による空調システムやエネルギー管理の講習、キャリア説明も行われました。金銭的な支援に加え、専門知識や将来の進路について考える機会を設けた点も、このプログラムの特徴です。

その後、支援の対象は学生から、空調分野の指導者や若手技術者へと広がったのが特徴です。2018年からは、ベトナムの職業教育を所管する職業教育総局との連携のもと、中核講師の育成や研修プログラムの整備を進め、2021年には、全国の学生や技術者が専門技能を競う国家レベルの職業技能大会「第12回国家技能競技大会」の冷凍・空調職種にも協力し、競技に必要な設備や資材を提供しました。

感染症や自然災害への支援

新型コロナウイルス感染症が拡大した2021年、ダイキンベトナムは、政府の新型コロナワクチン基金への支援と善意の輪を広げることを目的に、「Long Tot No Hoa(ロントットノーホア)」キャンペーンを実施しました。名称は、病気の母親を思う少年が、お釈迦様から授かったデイジーの花びらを、母親と少しでも長く過ごせるよう細かく分けたという物語に着想を得たものです。感染拡大下で、市民が食事を届けるなど互いに支え合った出来事も、キャンペーンの背景となりました。

Facebook上での参加や対象製品の購入に応じて同社が寄付する仕組みが設けられ、最終的な寄付額は17億VND(約1,030万円)でした。また、2020年から2021年にかけて、ダナン総合病院やホーチミン市内の医療機関には、マスクや防護服、エアコン、空気清浄機などが提供され、医療現場への支援にもつながりました。

自然災害への対応では、空調メーカーとしてのサービスを生かした支援も見られます。2022年には、ベトナム中部の13地域で洪水などにより故障した家庭用エアコンについて、点検や修理、基本メンテナンスを無償とし、2025年の豪雨時には、中部および中部高原の浸水被害地域で、家庭用壁掛けエアコンを利用する顧客への支援も実施されました。

空調分野における環境負荷の低減

空調機器は、使用時の電力消費に加え、冷媒の扱いも環境負荷に関わります。ダイキンベトナムは、建物や工場、小売施設などを対象に、空調設備の保守や更新時に発生する冷媒を回収し、安全に運搬したうえで、状態に応じて再利用やリサイクル、適切な処理へとつなげています。

2015年10月には、環境問題への国際的な取り組みを進める国連環境計画(UNEP)の支援を受けた、建築分野の気候変動対策をテーマとするイベントに参加し、空調や換気、設備管理を組み合わせた建物の省エネルギー策を紹介しました。

2025年には、ダイキンベトナムのエアコン20製品が、産業や貿易、エネルギー分野などを所管するベトナム商工省(MOIT)などによる省エネルギー性能の評価で選定されました。家庭用インバーターエアコンには、従来の冷媒より地球温暖化への影響が小さいR32冷媒を採用し、生産工程では太陽光発電を活用しています。

基本情報・参考資料

まとめ

ダイキンベトナムは、空調分野で培った技術や知識を、事業活動に加えて社会との関わりにも生かしてきました。空調を取り巻く課題に自社の専門性を結び付けながら、ベトナムで活動を重ねてきた点が同社の特徴です。

奨学金や職業教育への協力、冷媒管理、災害時のサービス支援など、活動の内容にも空調メーカーとしての特色が表れています。