売り場の外へ広がる動き|イオンベトナムの店舗から見える変化

ベトナムでは、小売業に求められる役割も、単に商品を販売する場にとどまらなくなってきています。日々の買い物を支える場として、地域や環境との関わりも意識されるようになりました。

イオンベトナムは、日本発の小売グループであるイオン(AEON)のベトナム法人として、ショッピングモールの運営や小売事業を展開しています。日常に近い立場にあるからこそ、店舗の外にも視点を広げています。事業の基盤である店舗運営を通じて、地域社会や環境との関わりも形になってきました。

本記事では、イオンベトナムの活動について、店舗運営を起点とした広がりに焦点を当てて紹介します。

目次
  1. 売り場から広がる視点
    1. 環境保全
    2. 地域のつながり
    3. 次世代の学びの支え
  2. 基本情報・参考資料
  3. まとめ

売り場から広がる視点

イオンベトナムの活動は、特別な取り組みとして切り分けられているわけではありません。日々の店舗運営の中で、自然な形で続いてきたものです。食品や日用品を扱う小売業は、生活に近い場所にあります。売り場のあり方は、そのまま地域や環境との関わりにもつながります。

こうした流れは、日々の買い物の中にも自然に表れています。ここからは、具体的な取り組みを見ていきます。

環境保全

イオンベトナムの店舗では、資源の使い方や廃棄の方法を見直す動きが進んでいます。買い物の流れの中にも、環境への配慮が自然になじんでいます。レジでは袋を受け取らない選択が定着し、繰り返し使えるバッグを貸し出す「Rent-A-Bag(レント・ア・バッグ)」も利用されています。2025年5月までに約6万6,000回利用され、約20万枚分のビニール袋削減につながりました。

売り場の外にも、同じ流れが続いています。2009年からは、イオン環境財団による植樹プログラム「Canh Rung Que Huong(ふるさとの森づくり)」がベトナム各地で続けられ、これまでに11万本以上の木が植えられてきました。

毎月の清掃活動「AEON Ngay Don Dep(AEONクリーンデー)」も続いています。店舗周辺の清掃を通じて、環境への意識が日常の中で自然に共有されています。現在は地域にも広がり、来店客や住民とともに街を清掃する機会にもなっています。

地域のつながり

イオンベトナムの店舗は、買い物の場としてだけでなく、人が集まり、新しいつながりが生まれる場にもなっています。2022年から続く「AEON Ekiden(イオン駅伝)」はベトナム各地で開催され、2024年までに延べ1万7,000人以上が参加しました。「AEON Cosplay Festival(イオンコスプレフェスティバル)」も各店舗で開催され、来店客が思い思いの表現を楽しんでいます。イベントをきっかけに、地域の中で人が集まる機会も広がっています。

2024年に北部で発生した洪水に対しては、イオンベトナムとイオングループが連携し、生活必需品の提供や寄付を行いました。支援総額は約25億ドンにのぼり、被害の大きかったフート省をはじめ、複数の地域へ物資を届けました。

次世代の学びの支え

イオンベトナムでは、子どもから学生まで、それぞれの段階に応じた学びや経験の機会を提供しています。小学生向けの「AEON Cheers Club(AEONチアーズクラブ)」では、国連やベトナムの持続可能な開発目標をテーマに、店舗を会場として社会や環境について考えるプログラムを実施しています。

高校生向けには、ベトナム各地から参加者を集めた英語弁論大会も開かれています。2025年の大会では、各地から参加した生徒が自らの考えを英語で発表し、表現力や発信力を試しました。

また、2024年にはベトナム国内の職業訓練校に通う学生を対象に、15名分の奨学金を提供しました。あわせて、店舗での実習を通じて実際の業務に触れる機会も設けられています。

基本情報・参考資料

まとめ

売り場の外に広がる動きも、特別なものとしてではなく、日々の運営の中で自然に形になってきたものです。店舗という場の役割が少しずつ広がる中で、その変化はすでに日常にも表れ始めています。その広がりが、これからどのような形になっていくのかも注目されます。